LD(学習障害)とは「読む」「書く」「計算する」「推論する」「聞く」「話す」の特定の能力が極端に乏しい状態

一般的にLD(学習障害)とは、知的な遅れはないけれども、
ある特定の学習能力のみに困難さがみられる障害です。
アスペルガー症候群の人にもLDと似た特徴がみられます

文部科学省の定義によると、
全般的な知的機能の発達には遅れはないものの、
「読む」「書く」「計算する」「推論する」「聞く」「話す」
といった基本的な学習能力のうちの特定の能力に困難さがみられる状態を指します。
文字や漢字はすらすらと読めるのに、それらを書くという作業ができなかったり、頭の回転は速いのにインプットしたことを自分の言葉で話すことが苦手だったり、一部の能力がうまく機能しないケースが多いです。

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一般的に人は情報のインプットをした後、頭の中の引き出しに一旦整理します。しまい込まれた情報を脳の中で関連付けて引き出す流れを「認知」といいますが、LD(学習障害)の場合、この認知作業がうまく機能せずに不具合が生じます。

実際に不具合が生じるとどうなるのでしょうか。

・文字をすらすら読めない・・・読字障害(ディレクシア)
・文字を正しく書けない・・・書字障害
・算数などの計算や推論ができない・・・算数障害
・人の話が聞けない・・・聞くことが困難なLD
・うまく話すことができない・・・話すことが困難なLD

文字をすらすら読めない

LD(学習障害)に一番多いのが文字をすらすら読めないタイプだそうです。
これを「ディレクシア(読字障害)」ともいいます。

文字を読む場合、まず目から入ってきた視覚情報を脳の中で音声情報に置き換え、それをひとまとまりの言葉として音に変換する作業が必要になります。ディレクシアはこのメカニズムがうまく機能しません。

具体的な障害は2つのケースに分けられます。
1つ目は、眼球の運動がスムーズにいかない「視覚性読み障害」といわれるもの。文字を読んでいるうちにどこを読んでいるのかわからなくなってしまう症状です。
2つ目は、「言語性(音韻性)読み障害」といわれるもので聴覚の認知機能が弱いために文字と音が結びつかない症状です。これらの読み障害の人は、書くことにも問題が生じやすいといわれています。

ディレクシアの具体的な例

・形が似ている文字を読み間違える
・文章の行数が多いと途中でどこを読んでいるのかわからなくなる
・文字や行を飛ばして読んでしまう
・単語をお読むのが困難で一文字一文字読んでしまう
・文章を区切って読むことが困難

文字を正しく書けない

文字を読むことができても、書くときに左右逆の鏡文字を書いたり、正常な形の文字が書けないものを「書字障害」といいます。鏡文字を書いてしまう人は、視覚での認知が弱いため、文字の形や大きさを正確に捉えることができません。

また文字を書くときに、鉛筆を持った手と目の協調運動がうまくできないために上手に書けないタイプの人もいます。その他にも学校などで先生が黒板に書いた文字をノートに写す際に、脳のワーキングメモリーがうまく機能しないために、ノートに書くべきタイミングにさしかかると、何を書くべきだったか忘れてしまったり混乱してしまうといった症状もあります。

書字障害の具体的な例

・左右反転して鏡文字を書く
・文字が小さすぎたり大きすぎたりと極端
・漢字の「へん」と「つくり」を逆に書いてしまう
・文字のバランスがうまくとれない

算数などの計算や推論ができない

LDの中でも算数ができない人も多いようです。ある分野は得意でも別の分野はまったくできないという偏りがみられるケースもあります。視覚認知が弱いタイプは暗算が得意でも筆算になると位の計算ができなかったり、聴覚記憶や短期記憶の弱いタイプは一桁の計算にも支障をきたします。

・算数障害の具体的な例

・九九を覚えるのが苦手
・一桁の計算でも暗算ができない
・筆算の位の計算が苦手
・時計の針の計算ができない
・図形やグラフの問題が苦手
・図形を模写することがうまくできない
・計算ができても文章問題になるとできなくなる

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人の話が聞けない

「聞く」ということが困難なLDの人は、主に2つのタイプに分けられます。
1つめは「言語性LD」といわれるもので、聴覚認知やワーキングメモリーに問題が生じているケースです。聴覚認知機能に問題があると周囲の音が一度に頭に入ってくるので、誰かと話していても周囲が気になって会話に集中することができずに何度も聞き返してしまいます。またワーキングメモリがうまく機能しないと、聞いたばかりのこともすぐに忘れてしまいます。

2つめは「非言語性LD」といわれるもので、言葉自体の理解や表現をすることは問題がありませんが、文字や記号、図などの理解が困難なケースです。人の話が聞けないという部分ではADHDの人にも関係していて、話し終わるまで聞くという集中力を維持することができないために、途中で口をはさんだり、一方的に話出してしまったりするため、「話を聞けない人」というレッテルを貼られてしまう場合もあります。

「聞く」ことが困難なLDの具体的な例

・聞いて理解したことを数秒で忘れてしまう
・聞こえてくる音を言葉として捉えることができない
・音の聞き分けが困難で、聞き間違いが多い
・周囲の雑音が気になって会話に集中できない
・人の話を最後まで聞けない

うまく話すことができない

話すことが困難なLDの人も、それぞれタイプ別の症状があります。
脳の単語の記憶機能に不具合のある人の場合は、会話をしていても主語がなく、述語から始まるため、相手は何のことを話しているのかわからず戸惑ってしまうケースもあります。また話にまとまりのない人の場合は、脳のワーキングメモリーに問題がある可能性が高く、会話の順序を組み立てて説明できない人に症状が出ます。こうした人は「話を理解できない人」「話が通じない人」と思われることがあります。

「話す」ことが苦手なLDの具体的な例

・話そうとしても単語だけを喋ってしまい、言葉が続かない
・会話が右往左往飛んでしまい、まとまりのない話になる
・自分が一方的の話すだけで相手の会話が聞けない
・相手の名前が出てこないため「あなた」「君」など二人称で呼ぶ
・言葉が出てこない換語障害のために「え~」「あの~」の不要語が多い
社会人の仕事におけるLDのケース
コールセンターの仕事をしている人がいたとします。
LD(学習障害)があって、お客様に質問された内容を脳の認知作業によって回答する際に、自分の知識を引き出しからうまく拾ってくることができずに、案内に戸惑ってしまったり、説明ができなかったりします。

このような症状で日常生活に不具合が生じ、ストレスや生きづらさを抱えているLDの人は多いようです。またアスペルガー症候群もこのLDと似た特徴をもつ人が多いといわれています。

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