自分しか愛せない!?自己愛性パーソナリティ障害

人は誰しも「自分は特別な存在である」「他人よりも自分が好き」「自分が一番かわいい」という感情を持っています。つまり、人はみんな多かれ少なかれナルシスト的な要素を持っていると言えるでしょう。

通常は、そうした感情は、オンリーワンの存在になる、あるいは個性を活かした生き方を模索する、といった前向きな方向に進んでいくものです。しかし、ナルシスト的な感情が強くなりすぎると、他人を思いやることができなくなり、自己中心的な行動をとるようになってしまうのです。こうした症状が、自己愛性パーソナリティ障害と言われるものです。

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自己愛性パーソナリティ障害とはどんな病気?


「自分のことが好き」という感情は、誰しもが持っているものです。ただし、社会生活を営む上では、自分のことばかりではなく、他人のことも考えなければなりません。他人も同じように「自分が一番好き」なのです。それを理解し、お互いが他人を思いやる心を持つことによって、はじめて良好な人間関係が成り立ちます。

ところが、自己愛性パーソナリティ障害になると、他人も自分同様に「自分が好き」といった感情を持っていることを理解できなくなってしまいます。他人は自分を否定するはずのない存在、あるいは自分のことを褒めるだけの存在といった、極めて自己中心的な思考に陥ってしまうのです。

自分しか愛せない自己中心的な思考は周囲との摩擦を生み、生きにくさにつながっていきます。ついには、学校や会社での孤立、夫婦間での喧嘩、友人とのトラブルなどを引き起こす結果となります。また、それが引き金となり摂食障害やうつ病といった重い精神疾患に発展するケースもあるのです。

自己愛性パーソナリティ障害の症状は?


自己愛性パーソナリティ障害の症状は、大きく二つのパターンに分けることができます。
一つ目は、周囲から見てもいかにも自信満々といった態度が顕著な症状です。いつでも自分が中心にいないと気が済まないタイプで、気に入らないことがあると激高したり、攻撃的になったりします。
他人の言葉など耳に入らず、ひたすら自分勝手に行動してしまいます。また、何事に対しても、自分が正しく他人は間違えていると考えるようになってしまうのです。

二つ目の症状は、周囲から見ると極端に引っ込み思案に見えるタイプです。「自分が一番好き」という感情が強すぎるため、他人の評価が気になり、自分を表現することができなくなってしまいます。傷つくことを恐れるあまり他人が怖くなり、内気になってしまう傾向が顕著になるのです。

どちらのタイプも「自分を愛している」という気持ちが強すぎることに変わりはありません。いずれにしても、周囲との摩擦は避けることができず、自分が生きづらくなる結果を招いてしまいます。

自己愛性パーソナリティ障害の治療法は?


自己愛性パーソナリティ障害の治療法で、最も効果があると言われているのが精神療法です。自己愛性パーソナリティ障害の患者は、自分を愛しすぎているゆえ、自身を過大評価する傾向にあります。ドクターは対話を通して、患者が等身大の自分を発見していくよう導いていきます。


患者自身が本来あるべき姿を認めることができれば、障害の治療は大きく前進します。自己愛性パーソナリティ障害の治療は年単位での治療が必要と言われていますが症状は必ず改善します。徐々にではありますが、患者は等身大の自分を把握し、他人の気持ちを推し量ることができるようになっていくのです。

最後に

いい学校に進学しいい会社に入る、利益を上げることが最重要。こうした過度の競争や数字一辺倒の評価基準が、自己愛性パーソナリティ障害の一因とも言われています。他人を蹴落としても自分さえ評価されればいい、という世の中の風潮は確かに過剰な自己愛を生み出す原因となっているでしょう。

自己犠牲の精神を持つ、他人の気持ちを察する、こうした本来人間が持っているはずである感情を思い起こすことが自己愛性パーソナリティ障害の治療、ひいては誰もが生きやすい社会を作ることにつながるのではないでしょうか。

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