高次脳機能障害とは?リハビリで治る!?


著名な音楽プロデューサー、小室哲哉さんの突然の引退発表に、驚いた方は多いのではないでしょうか。

小室さんの記者会見では、妻のKEIKOさんが高次脳機能障害であること、また、自分が介護に携わっていることが明かされました。KEIKOさんは2011年10月にくも膜下出血で倒れています。


その後、リハビリ生活に入りましたが、現在は高次脳機能障害になってしまっているようです。
この聞きなれない高次脳機能障害とはいったいどんな症状を指すのでしょうか。今回は、この高次脳機能障害について見ていくことにしましょう。


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高次脳機能障害とはどんな症状?


脳の機能は、おおまかに「低次脳機能」と「高次脳機能」に分けることができます。低次脳機能とは、人が無意識のうちに行っている生命維持のための機能です。


例えば、呼吸や血液の循環、まばたき、食物を飲み込む嚥下などが、それにあたります。一方、高次脳機能とは、文字を書く、日時を記憶する、計算をするなど、論理的な思考が要求されたり、理解力や集中力が求められたりする行為を伴う機能を指します。

高次脳機能障害になると文字通り、高次脳機能の一部ができなくなってしまいます。特に記憶障害が顕著で、高次脳機能障害に陥った人の約5割は記憶するのが苦手になると言われています。前述したKEIKOさんの場合は、歌うことや楽譜を読むこと、音程を合わせることなどの高次脳機能が欠如してしまったと考えられます。


また、小室さんの話によるとKEIKOさんは「少女のようになってしまった」とのことなので、感情のコントロールにも障害が出ていると想像されます。大人になれば、その場の空気を読んで、「泣いてはいけない」「怒ってはいけない」などと、ある程度は感情を抑えることができるものです。しかし、高次脳機能障害になると、まるで子供のように、感情の赴くまま喜怒哀楽を表現するケースも多々見受けられるようになります。

高次脳機能障害の原因は?


高次脳機能障害を引き起こす原因は、約8割がいわゆる脳卒中と呼ばれる脳血管障害です。KEIKOさんのようなくも膜下出血、あるいは脳梗塞や脳出血が一般的に脳卒中と言われる疾患です。
その他の約2割は、交通事故やスポーツ中の怪我などによる脳外傷、または脳腫瘍、パーキンソン病などの病気によるものです。その中でも特に多いのは、若年層のバイク事故による脳外傷と言われています。

このように、脳卒中や脳外傷、その他脳に関わる病気により脳がダメージを受け、結果として記憶障害を始めとした高次脳機能障害が引き起こされるのです。


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高次脳機能障害は治る?


高次脳機能障害は、脳卒中や脳外傷などによる脳の後遺症が原因となっているため、その後遺症が残っている部位が修復されない限り、完治することは難しいのが実情です。

しかし、リハビリテーションを通じて徐々に機能を回復させ、できなかったことを代替手段によって、できるようにしていくことは十分に可能です。例えば、高次脳機能障害で記憶障害が生じ、物事の優先順位をつけられなくなったとしましょう。その際は、ノートや手帳、カレンダーなどにその日にやらなければならないことを書き出していきます。


そして、メモしてある通りに順序だてて行動していくようにするのです。メモをする、確認する、行動するという行為を繰り返すうちに、徐々にではありますが記憶が定着しやすくなっていきます。また、自分にとっては何が覚えやすく、逆に何が覚えにくいのかといった得手不得手も自覚できるようになり、リハビリの方向性も明確になり一層行動がスムーズになってくるのです。

つまり、脳に障害が残って一部の機能が失われても、他の機能によって補うことができるようになるのです。高次脳機能障害のリハビリは、このようにして機能同士をうまく補完させることによって生活に支障がでない状態に持っていくことができます。たとえ失われた機能がもとに戻らなくても、できることで補うことが可能ならば、必ず生活は良い方向に向かっていくのです。

最後に

2008年に行われた東京都の調査によって、都内で1年間に高次脳機能障害を発症する患者は3千人にも及ぶことが分かりました。また、推計ではありますが2008年の時点で都内には5万人以上の患者がいるとの予想も発表されています。

今から約10年前の東京都のみの調査ですから、現在全国的に見れば、莫大な患者が存在することは容易に想像がつきます。

今回の小室哲哉さんの会見で改めて注目された高次脳機能障害。増え続ける患者を少しでも減少させるためにも、ひとりひとりがさらに疾患に対する理解を深める必要があるのではないでしょうか。

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