アスペルガー症候群の簡単診断(セルフチェック)と実際の診療の進め方

アスペルガー症候群の人は
普段の生活では特に支障がないように思われがちです。
しかし自分の行動やふるまいをチェックしてみると、
意外とコミュニケーションに悩んでいる人も多くいます。

今回は、あなたが「もしかしてアスペルガー症候群かも?」と
思ったときのチェックリストを用意しました。
次のうち該当項目がいくつあるかチェックしてみましょう。

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アスペルガー症候群 簡単診断

・コミュニケーションの障害・特性

・相手と話すときのアイコンタクトが不自然
・相手との対人的距離感がうまくとれない
・相手が話しているときに横から口を挟んでしまう
・会話中に同じ話を何度も繰り返す
・会話が自分の興味のある難しい知識の話題で一方通行になりやすい
・自分の言動が相手にどう影響するのかを想像できない
・自分が話しているときはなかなか他の人に口を挟ませない
・自分から会話をしなければならないときにフリーズすることがある
・説明が必要以上に長いか、短すぎて伝わりづらい
・人に触れられるのがとても苦手である

・社会性の障害・特性

・新しい環境に極度の不安を感じる
・同時に2つの事を頼まれると混乱したり、ストレスがたまる
・冗談があまり通じない
・他人への関心が乏しい
・マナーや常識がないといわれる
・時と状況に合わせた服装や言葉遣いができない

・想像力の欠如と強いこだわりによる障害・特性

・周囲が気にならなくなるほど、何かに没頭してしまうことがよくある
・偏った食生活になりやすい
・仕事や旅行に行くとき、荷物が多い
・物を規則的に並べないと気がすまない
・雑音に敏感に反応して目の前のことに集中できなくなる

ではいくつ該当したかを確認してみてください。

・3個以上・・・アスペルガー症候群の疑いがあります。
客観的に自分を見つめなおして、意識的に直せるところをチェックしてみましょう。

・5個以上・・・アスペルガー症候群の可能性があります。
周囲の人にアスペルガーの症状について理解を求め、サポートしてもらう必要があるかもしれません。

・10個以上・・・アスペルガー症候群の特性がかなり見られます。
専門の医療機関やお近くの発達障がい者支援センターに相談してみましょう。

いかがでしたか?

もちろんアスペルガー症候群の人=すべての項目に当てはまるというわけではありません。コミュニケーションだけ苦手な人もいれば、異常なこだわりだけが飛びぬけて目立つという人もいます。もちろんほぼすべて該当という場合もあるかもしれません。性格傾向によって個々の違いがあるのです。最終的にはこのサイトだけで自己判断するのではなく、専門の医療機関やお近くの発達障がい者支援センターに直接相談し、きちんと調べてもらうことが改善への糸口につながると思います。

「自分はアスペルガーではないか?」と不安に思い、ネットでいろいろと検索する人は多いと思いますが、現段階で「わざわざクリニックに予約をとるのも面倒くさい」という人は多いと思います。

実際にうまく症状を伝えられるかも不安でしょうし、何を伝えたらアスペルガーと診断されるのか、ふわふわした状態でわからないといった場合もあります。

そこで今回は、一体どんな症状だったら「アスペルガー症候群」と診断がつくのか。その一般的な診断基準について書いていきます。

アスペルガーと診断される3つの障害

①コミュニケーションの障害
アスペルガー症候群の人には、子供の頃の言語発達の遅れは特に見受けられません。

しかし「喋ること」は問題なくても「人と会話のやりとりをすること」には
悩みや問題を抱える人がたくさん出てきます。では具体的にはどのような症状なのでしょうか。

・自分の感情をうまく伝えるのが苦手。または伝わりづらい
・ユーモアやたとえの表現が理解しにくい
・言葉の背景を読み取るのが苦手
・冗談がわからず真に受けてムキになってしまう
・臨機応変に話題をふっていくのが苦手

本人は自然のつもりでも、なぜか相手と分かり合えない、相手に理解されないというのは意思の疎通がうまく図れていないためです。
本人自身もうまくコミュニケーションがとれない中で試行錯誤するので、アクション(発言の仕方)が失敗して誤解を与えたり距離を置かれることもあります。

もちろん時間をかけて長く付き合ったり、本音でじっくり話せるほど親しくなればようやく相手にも理解してもらえるケースも多いので、決して最初から諦めることはないです。短い期間で自分を理解してもらうのが苦手なのです。

②社会性の障害
一般的に人は、人生を終えるまでにさまざまな人や集団とかかわり、その中で生きていきます。成長過程できちんと関われるよう家族に躾をうけたり、学校や職場で教育されます。人は本来、人に好かれたいたいし、楽しい関係を築きたいと思うはずです。

しかしアスペルガー症候群の人は、この意識が乏しいため、集団の場、公共の場でうまくいかないことが生じるケースが少なくありません。

・他人への関心度が極端に低い
・孤立している方が楽で一人でいる時間を好む
・社会人としてのマナーや常識がないといわれる
・相手の気持ちを理解した配慮ある行動が苦手
・自分の言動によってトラブルを起こす危険性を想像できない

子供の頃は社会性がなくても、大人になれば備わるであろうと、簡単に見過ごされることもあります。しかしアスペルガーの子供は、このまま大人になっても症状が継続し変化しません。

そのため大人になってからも、「あの人は大人らしくない行動をとる」「社会人としてどうなの?」と批判されることもあります。

本人も気づかないまま大人になり、自分自身が社会人にもなって、他の人たちのように職場や公の場でうまく立ち回れないことに気づき、初めてアスペルガーの可能性を疑う、なんてことも往々にしてあります。

③想像力の欠如と強いこだわり

アスペルガーの人には特有のこだわりがあり、自分の中で徹底的な規則的行動をとったりします。これは「常同反復的行動」ともいわれます。

・興味のないことに関心がもてない
・興味を持つと異常なまでに執着する
・自分の中の規則的ルールを変えられない
・物事を決めつける傾向にある
・突発的な事態が起こると混乱し感情的になる
・気持ちの切り替えができない

この規則的行動はある意味、良くも悪くも作用しますが、興味の持てるもので、楽しく習慣として取り組めるものが見つかれば、それが異常なまでに執着できるものなら人生の楽しみにもなり、生きがいにもつながります。興味を持ったことが人生を切り開くキッカケにつながる可能性もあります。

アスペルガーと診断される症状は、すべてが悪く作用するわけではありません。それ自体は治ることはありませんが、どういう症状が不具合な方向に作用しているのかに気づくことができます。これはとっても重要なことで、なんで自分が変なのか、その理由がわからずに人生を終えるよりも、自分の特徴と向き合い、理解を深めることでどういう行動をすれば改善ができるのかを知ることができれば、状況も良い方向に変えることができます。「アスペルガーが治らない」からといって、すぐに諦めるのはナンセンスなのです。

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アスペルガーの診断の流れ

アスペルガー症候群の診断は、世界保健機構が作成した「ICD-10(国際疾病分類第10版)」、アメリカ精神医学会が作成した「DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引 第5版)」という国際的に用いられている診断基準で行われます。

DSM-5ではアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」と診断されるようになったため、今後は「アスペルガー症候群」の診断が下ることは少なくなると考えられます。

では受診の際には具体的にどんな診断が行われるのでしょうか。

面接で確認すること

面接は通常、一度ではなく複数回の診断で以下の点を確認します。

・なぜ受診に来たのか。
・今一番何に困っているか
・いつから困っているか
・病気かもしれないと自覚したキッカケ
・現在の職場・業務内容・仕事上の悩み
・職場や周囲から指摘される問題点
・家族構成・家庭環境で困っていることはないか
・生育歴の確認。小さい頃はどんな子供だったか
・「母子手帳」にて出生児・乳幼児期の健診記録など言語発達遅れの有無
・「小学生時代の通知表」で成績に偏りがないか。集団生活で行動特性がなかったか

検査で確認すること

検査は「知能検査」を行います。知能検査はいくつもの種類があり、体調や心理状態によって違いがでることもあります。知能検査は診断材料となるだけでなく、子供の得意な分野や不得意な分野が明確になるため、子育てをする上で非常に役立つものとなります。知能検査では能力に偏りがあるかを調べます。

●知能検査で分かる特徴の事例

【絵画完成】
・検査:電話の数字がひとつ足りない絵を見て穴埋め問題が出来なかった場合 ・実生活:全体を把握することが苦手

【符号】
・検査:数字に対応する記号を多く書く問題で、あまり書けなかった場合
・実生活:黒板を書き写すのが苦手。写し間違いや漢字などの覚え間違いが多い。

【絵画配列】
・検査:意味が通じるようにカードを並び替える問題が出来なかった場合
・実生活:時系列を理解することが苦手。行動や結果の予測が苦手。

【積木模様】
・検査:モデルの積木の模様を見て、同じ模様を作ることが出来なかった場合
・実生活:全体を見て、各部分に分解できない。

【組み合わせ】
・検査:部分を組み合わせて、ひとつのモノを作ることが出来なかった場合
・実生活:話しを聞いて全体を想像できない。計画を立てる際に必要なモノが分からない。

【記号】
・検査:左側にある記号と同じモノを右側の選択肢から選ぶことが出来なかった場合
・実生活:選択問題が苦手。漢字などの判別が苦手。

【迷路】
・検査:迷路問題が解けなかった場合
・実生活:先読みして行動することが苦手。

【知識】
・検査:一般常識の質問に上手く答えることが出来なかった場合
・実生活:教えられた通りに理解し覚えることが苦手。自分なりの理解で行動してしまう。

【類似】
・検査:口頭による質問で出された2つのモノの似ている点を答えることが出来なかった場合
・実生活:心情・感触・用途・色・形など、様々な側面からものごとを捉えることが苦手。

【算数】
・検査:口頭で出された算数の問題に答えることが出来なかった場合
・実生活:演算への置き換え・文の概念化・符号化・計算などを行うことが苦手。

【単語】
・検査:口頭で出された単語の意味を答えることが出来なかった場合
・実生活:相手の話を理解するのが苦手。不適切な言葉を使ってしまいがち。

【理解】
・検査:社会のルールなどの質問に答えることが出来なかった場合。
・実生活:困ったときに、どうすべきか判断するのが苦手。他人を理解するのが苦手。

【数唱】
・検査:聞いた数字を順番通り又は逆順に答えることが出来なかった場合
・実生活:指示された内容や順番を記憶するのが苦手。番号や時間などを間違って覚えがち。

場合によっては「ロールシャッハテスト」を行います。
ロールシャッハテストとは紙の上にインクを落とし、それを2つ折りにして広げることにより作成されたほぼ左右対称の図版を持つカードを見て、どう見えるかを問う心理テストです。

知能検査では、能力バランスが客観的数値として表れます。

この検査の結果で能力の偏りを調べ、
どのような特性・特徴があるのかを改めて理解していきます。

検査結果で自分自身を客観的に知ることができれば
検査を受ける価値がある、ということになります。

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